玄関ポーチの石を張り替えたい。【小工事】

「自宅の玄関ポーチの石を張り替えたい。」

世田谷区にお住まいのMさんからご相談をいただきました。

お住まいを新築されて7年。新築時に張った玄関ポーチの石が白くなり、一部欠けているとお悩み。

すぐに現地を拝見すると、写真のような状態でした。

石工事の専門家に相談。

アイビークラフトの登録クラフトマンである、石の専門家メイソンケイズの角田さんに相談しました。

角田さんは、楽天出身という異色のキャリアの持ち主です。

角田さんに、無料の現地調査をお願いし、玄関ポーチの石の状況を確認していただきました。

角田さんによると、玄関ポーチに使われている石は、玄昌石(げんしょうせき)という石で、「スレート(粘板岩)」という石の中の1つの石種で、泥岩(でいがん)が層状に堆積した石とのこと。

堆積した層にそって薄くはがれるスレートは、屋根材や床材の素材として利用しやすいため古くから建材として使われてきました。濃いグレーの表面に細かい筋が波のように流れた肌合いをしていて、水に濡れるとより黒さが鮮明になります。吸水性が低いので汚れもしみこみにくく、耐候性に優れるので外装にも使えるため、玄関などにもよく使用されています。

Mさん宅も、玄関ポーチと室内の玄関床を、同じ玄昌石で統一して設えていらっしゃいました。

その玄昌石が、白華現象(エフロレッセンス)を起こし、写真のような状況となっているようです。

砂とセメントを使用して貼り付けた石材では、石材そのものや目地から白い粉(結晶物)を析出することがあり、この白い粉を白華現象(エフロレッセンス)と呼びます。

この白華現象(エフロレッセンス)は、空気が乾燥しやすい冬の時期に発生しやすくなりますが、一度、発生すると継続的に発生し続けるようです。

メイソンケイズ角田さん-ivyCraft

アイビークラフトの活用方法。

アイビークラフトの活用方法は様々です。

1.材料等をすべて自分で用意し、施工方法を教えてもらう、手伝ってもらう。
2.材料等をすべて自分で用意し、施工の部分をクラフトマンにお願いする。
3.材料の手配も含めて、すべてお願いする。

依頼に対してクラフトマンに支払う報酬は、クラフトマンの拘束時間や手間が少ない「1」が一番少なく、「2」、「3」と順に多くなっていきます。

「自分がどこまで手間暇をかけて関わるか?」
「自分がどこまでであればできるのか?」
「予算をいくらにするか?」

アイビークラフトは、それぞれの依頼者の方のご意向やご事情に応じて、上手に使い分けて活用することができます。

今回のご相談では、Mさんのご意向で、石やタイルの調達を含めて角田さんにお願いしたいとのことでした。

石などの調達は、専門業者の方が、一般の方よりもいいものを安価に仕入れることができます。

玄昌石(げんしょうせき)から黒御影石に張り替え。

現在の玄昌石(げんしょうせき)は風合いがあり、お住まいの外観にとても合っているのですが、また何年か後に、今回と同じように欠けてしまったりする可能性もあります。

湿気や水捌けなどの環境や条件により、同じ素材でも対候性や耐久性が異なってくるからです。

おそらくこの場所は、環境的に白華現象が生じやすい場所なのでしょう。

現在の玄昌石(げんしょうせき)を再度採用するか、他の石材に変更するか、タイルにするか、Mさんと角田さんとで協議しました。

玄昌石(げんしょうせき)では、同じ現象が生じる可能性があるため、見送ることとし、タイルは白華現象(はっかげんしょう)の原因となるモルタルのみで施工するため、別の石材を選定する方向になりました。

Mさんのご希望としては、色は黒かグレーにしたいとのことで、角田さんのご提案により、黒御影石を採用することに決定。

黒御影石は高価な材料ですが、石の専門である角田さんにお任せすれば、いい石を仕入れてくれます。

黒御影石-ivyCraft
黒御影石(参考)-ivyCraft

工事は3日間。まずは解体。

張り替える石種が決定し、施工金額のお見積もりもMさんにご確認・合意をいただき、工事に着手です。

気候がよい5月末の3日間で施工。施工日は3日間とも快晴でした。

初日は既存の石の解体工事に伴い、音やほこりが発生するため、きちんとご近所さんにご挨拶をされていました。

最初はハンマーなどを使って、既存の玄昌石(げんしょうせき)を1枚ずつ剥がしていきます。

簡単に剥がせない箇所は、電動ドリルを使って剥がします。

剥がした後の状態を見ると、ここ数日間は、雨は降ってなかったのですが、石の裏や隙間は濡れていたりと湿気がある状態でした。

また、しっかりと接着できてないため、隙間が空いている状況でした。

玄昌石(げんしょうせき)を剥がした状態で、Mさんに丁寧に現在の状況とこのようになってしまった原因のご説明をされていました。

表面の玄昌石(げんしょうせき)を剥がし終えると、躯体の上のモルタルの層の解体を開始。

ドリルを使って、根気よくモルタルを取り除きます。

かなりの振動と、埃や音が出る作業。

Mさんから差し入れのコーヒーを頂きました。

綺麗に剥がし落とし、躯体があらわになった段階で、Mさん夫婦に今後の作業のご説明。

仕入れた石を仮置きし、イメージを共有していただきます。

いよいよ石の施工。

角田さんが仕入れてくれた石は、MADE IN ITALYの高級黒御影石。厚みとサイズとクオリティを考慮し、厳選した石を持ってきてくれました。

石を適切なサイズに採寸し、電動のこぎりでカット。粉塵吸引機に石から出る埃が吸い込まれていきます。そして石の小口を軽くカットして、穴を開けています。写真のように、仮止めの引っ掛けフックのための加工のようです。

水平測定器と糸と木材を使い、正確に石の配置を決めて、フックとモルタルで仮止めます。

外構の工事はある程度大雑把に施工するイメージでしたが、想像以上に緻密な作業でした。

位置が決まったら、砂とセメント、水を適切に混ぜて、躯体と石の隙間に挿入し、固定していきます。

玄関ポーチ階段最上段の蹴上部分に黒御影石の設置が完了すると、踏面部分にも石を配置していきます。

玄関ポーチ最上段の踏面と蹴上部分に石を配置できたら、侵入防止のテープを張り、最上段と同様の工程で、二段目の作業に入ります。

玄関ポーチ二段目の蹴上部分の配置を完了したら、二段目の踏面を設置する前に、一段目の踏面に着手。

一段目は道路と接するため、接道部分は石を斜めにカットしなければなりません。直角スケールとペンと糸を使い、丁寧に石を採寸。

玄関ポーチ階段一段目は、形状が斜めなだけでなく、強い勾配もあります。階段二段目の蹴上部分から道路との擦り付け部分に向けて、ゴム製のハンマーを駆使し、綺麗に擦り付けます。

また、モルタルが再び白華現象を起こさないよう、白華防止剤を加えた水を満遍なく散布します。

先ほどのフックは、踏面を固定した後に、外していました。

目地入れと仕上げ作業。

一段一段、一枚一枚、丁寧に同じ作業を繰り返し、玄関ポーチ二段目の踏面にも張り替え用の黒御影石を配置していきます。

水平測定器で設置した石が水平を保てているか、プラスチック製のスペーサーで、石と石の隙間は均一に保てているか、丁寧に確認しながらゴム製ハンマーで高さを調整しつつ、作業を進めます。

そして、写真の通り、全ての石の配置が完了しました。玄関ポーチ両脇は、角田さんからのご提案で、水や湿気の逃げ場として砂利敷きに変更することにしました。

引き続き、目地の処理に入ります。

白華防止剤を加えた目地材を作り、こてを使って石と石の間に埋め込みます。そして、水を含ませた大きなスポンジを使い、石についた目地材をふき取ると、綺麗にグレーの目地が入っています。

斜めにカットした石と、道路のL型側溝との取り合いも、綺麗に納まっていて、ミリ単位の職人技による美しさを感じました。

完成。いろいろ差し入れもいただきました。

目地の処理も完了し、両脇の砂利石の敷設だけは後日とし、一旦、工事は完了です。

完成した状況を、Mさんにご確認いただきました。Mさんからは、毎日お茶やコーヒーの差し入れをいただき、加えてお昼代などもいただきました。

Mさんご夫婦のお気持ちに感謝です。

1か月後に、再度状況を確認いたしましたら、玄関ポーチ両脇の砂利も敷かれていて、玄関ポーチ全体の色もしっとりと落ち着き、家全体に完全に馴染んでいる様子でした。

Mさんからは、「仕上がりにとても満足しています。施工中の都度確認や施工後の対応もしっかりしており、さすがです。依頼して正解でした。」とのコメントをいただきました。

ご依頼はこちら。

角田さんへのご依頼はこちらからどうぞ。

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