空き家を所有している世帯主の年齢は?

「令和6年空き家所有者実態調査」によると、空き家の所有世帯で家計を主に支える者の年齢は、65~74歳が約39%で最も多くなっています。次いで75歳以上が約27%、60~64歳が約15%となっており、60歳以上で全体の約8割を占めています。相続した物件が空き家になるのを未然に防ぐ方法には何があるのでしょうか? お役立ち情報

空き家を所有している方の年齢は何歳ぐらいなのでしょうか?

国土交通省が発表した「令和6年空き家所有者実態調査」によると、空き家の所有世帯で家計を主に支える者の年齢は、65~74歳が約39%で最も多くなっています。次いで75歳以上が約27%、60~64歳が約15%となっており、60歳以上で全体の約8割を占めています。

この調査データは、空き家所有者の深刻な高齢化と、それに伴う管理・処分能力の低下を浮き彫りにしています。調査結果の上位データをもとに、その背景と考察をまとめました。

また、相続した物件が空き家になる前に、未然に防ぐ方法には何があるのでしょうか?

調査結果:所有世帯の家計を主に支える者の年齢(N=1,381 千世帯)

65~74歳: 39.0%
75歳以上: 26.5%
60~64歳: 14.5%
50~59歳: 14.3%
49歳以下: 5.7%

調査結果のポイント


1. 65歳以上の高齢者世帯が過半数を占める現実

調査結果では、家計を主に支える者の年齢が「65~74歳」および「75歳以上」の高齢層(65歳以上)が全体の過半数を大きく占めています

  • 世代交代の遅れ:実家などを「相続」した段階で、すでに子世代自身が定年退職を迎える前後の年齢(60代〜70代)になっている「老老相続」の構図が定着しています。
  • 認知症・体力の低下リスク:所有者の高齢化が進むことで、将来的に意思決定(売却や解体)が困難になる「認知症による資産凍結リスク」や、体力低下に伴い現地へ赴いて管理する行為自体が難しくなるリスクを内包しています。

2. 50代以下の現役世代が抱える「時間的・距離的制約」

一方、49歳以下や50代の現役世代の所有割合も一定数存在しますが、ここには別の課題があります。

  • 多忙による放置:家計の主たる支え手として最も働き盛りであるため、仕事や子育てに追われ、空き家の処分や適正管理に割く時間的余裕がありません。
  • 遠隔地管理の限界:現役世代は都市部に拠点を置いているケースが多く、地方にある実家との「距離の壁」から、実質的な放置状態に陥りやすい傾向があります。

3. 所有期間の長期化と「高齢化のループ」

空き家としての所有期間が長くなるほど、所有者の年齢もスライドして上昇します。

結果として、建物が30年〜40年と傷み続ける一方で、所有者側も年齢的に大規模な片付けや業者手配を行うエネルギーを失っていくという悪循環が起きています。

4. 65歳以上の高齢層が所有の過半数を占める「老親による抱え込み」

調査データでは、家計を支える者の年齢が「65〜74歳」および「75歳以上」の高齢者層が全体の過半数を占めています。

  • 考察: これは、かつて自身や親が住んでいた実家を、高齢になった世帯主がそのまま引き継ぎ、処分できずに所有し続けている現状を表しています。体力や認知機能の低下にともない、遠方にある空き家の定期的な清掃や、売却・解体といった複雑な手続きを進めることが困難になっている背景が伺えます。

5. 「65〜74歳(アクティブシニア)」期における対策の遅れ

団塊の世代を含む「65〜74歳」の層は、本来であれば資産整理や終活を進めるのに適した年齢層です。

  • 考察: しかし、この層が大きな割合を占めているということは、「まだ見に帰れるから」「いつか使うかもしれないから」という心理的ハードルにより、適切な利活用や売却への一歩を踏み出せていない世帯が多いことを意味します。結果として対策が先送りされ、次の75歳以上の後期高齢期へと問題が持ち越されています。

6. 次世代への「負の遺産化」と経済的リスクの増大

家計維持者が高齢である世帯の空き家は、長期間放置されるリスクが極めて高くなります。

考察: 建物は適切な管理を怠ると急速に劣化し、本調査でも全体の7割超に「腐朽・破損あり」と認められています。所有者がさらに高齢化・死亡することで、実質的な管理者が不在となり、近隣トラブルや「特定空家・管理不全空家」への指定による固定資産税の最大6倍化(住宅用地特例の解除)という経済的ペナルティを受けるリスクが年々高まっています。

    総括

    この年齢構成から判断すると、空き家所有者個人への義務付けや啓発だけでは問題は解決しません。
    今後は、高齢な所有者がリタイアする前、あるいは判断能力が十分にあるうちに、親族間での家族信託の活用や、全国版空き家・空き地バンク等の公的サービス、民間買取業者を通じた早期の売却・解体といった譲渡手続きをサポートする体制(終活・相続ワンストップ窓口など)を社会全体で加速させることが急務といえます。

    親が亡くなった後からでも、空き家になるのを防ぐ対策

    親が元気なうちに死亡後の相続の相談ができるケースは多くなく、事後でも実現可能な対策が必要とされています。

    借りる人の支払い(立替え)で建物を改修し、賃貸物件として暫定的に物件を活用できるサービス「レガシー不動産」の利用により、空き家になることを未然に防ぐことが出来ます。

    レガシー不動産のポイント

    • 家財の処分費や改修費を賃借人が立て替えることにより、相続による多額の出費を抑えることができる
    • 賃借人が立て替えた改修費等は、その後の家賃と相殺することにより、入居後の出費を抑えることができる
    • 賃貸終了後は、相続不動産は改修済みの状態で相続人の元に戻る
    • 賃借人は自分の好みに合った内装に改修した不動産を利用することが出来る
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