台風で飛ばされた屋根の板金を取付けて欲しい。【小工事・小修繕】

2019年10月10日

「屋根の板金が台風で飛ばされたので至急取り付けたいが、他の業者では1か月以上待たされる。すぐにできませんか?」

杉並区にお住まいのKさんからのご連絡。

先日の台風で、屋根の一部が風で飛ばされたため、なるべく早く取り付けたいと思い、お知り合いの業者さん数か所に相談されました。しかし、千葉県に甚大な被害をもたらした大型の台風は、東京都内でも猛威を振るい、どの業者さんもすぐには請けることができない状況でした。

「飛ばされたものは手元にあり、それを取付けるだけなので、作業そのものは大変ではないと思うのですが、2階の屋根なので、足場を組むか、長い梯子がないと登れないと思います。知り合いの業者さんに相談したら、1か月から90日待つと言われて困っています。」

そもそも職人不足ですぐに請けてくれる状況にない建設業界。

そこで、Kさん宅の近所にお住まいの大工さんに相談してみたところ、「今日の仕事が終わってからの夕方6時ごろでよければ、一度現場を見てましょう。」ということに。

現地の下見をして。

大工さんはKさん宅から自宅が近いため、建設現場での仕事が終わった後一度自宅に戻り、長い脚立を持参して現地に来てくれました。

現地は杉並区の戸建住宅街。接している道路は狭く、隣家の軒と軒がくっつきそうなほど密集して戸建が並んで建っている低層の住宅街でした。

まだ残暑が厳しい9月とはいえ、夕方6時では既に周囲は暗くなっており、台風で飛ばされた屋根の部分はよく見えません。

しかし、大工さんが持参した長い脚立でも、2階の屋根に登るには長さが足りないことが判明。

大工さんは2段の梯子も所持しているが、それでも足りないという状況。

ベランダから屋根に登ることに。

2階の屋根に登るために、簡易な足場を組むか、7m級の梯子をレンタルするか、購入するか、さまざまな方法をKさん交えて話し合いました。

しかし、いずれの方法もコストや納期がかかり、できるだけ早く、かつ安くしてほしいというKさんのご希望には添えないため、以下の2つの方法で実施してみることに。

・Kさん宅のベランダに後付された屋根の一部を外し、脚立で屋根に登る方法
・ベランダから隣家の屋根に梯子をかけて、一度隣家の屋根に登り、隣家の屋根からKさん宅の屋根に移る方法

Kさんは定年前は電車の整備をされていた方で、多種多様な工具を持っていて、自らベランダの屋根を外す作業もされました。

ベランダの屋根のネジやボルトを外してみたものの、屋根そのものが相当の重量であり、脚立を通すスペース分だけ屋根をズラすにも、かなりの力と危険が伴います。

そこで、隣家の方にお声掛けをし、梯子を立てかけて、屋根に登ることについて相談したところ、快く承諾をいただきました。

ついでに隣家の屋根の状況もチェックさせていただきました。

ベランダから隣家の屋根に-ivyCraft-
ベランダから隣家の屋根に-ivyCraft-

台風で飛ばされた屋根の板金。

台風で飛ばされたという「屋根の板金」とは、いったいどのようなものなのか?

普段は地上レベルから屋根に設置されている状態を遠目に見る機会しかありませんが、実際に近くで見ると、かなり大きく、しかも鋭利にとがっていることに驚きます。

これが台風などの強風で飛ばされて、万が一にでも歩行者に激突しようものなら、命を落とす事故にもつながりかねません。

Kさん自身は自宅の板金が飛ばされていたことに気付かず、台風から1週間以上経過した後に、ご近所にお住まいの方から連絡を受け、はじめて自宅の屋根の板金だと気付かれたとのことでした。

今回は偶然、強風が来た時刻が深夜であり、奇跡的に、人にも物にも被害を与えなかったことが、不幸中の幸いでした。

Kさん宅のご近所の家の玄関脇にも、同様に板金が置かれていたので、こちらの屋根もおそらく先日の台風で飛ばされたのでしょう。

ご連絡から数日後に作業を実施。

最初にKさんからご連絡を受けてから数日後の日曜日。

「またいつ台風が来るかわからないし、なるべく早く修理をしたい。」というKさんのご希望を受けて、建設現場の休工日に大工の松田さんが作業に来てくれました。

作業の内容は以下の4項目。

・棟板金2枚の固定とコーキング
・他の板金で外れそうな物がないかのチェックと補強
・雨樋に詰まっているゴミの撤去
・ベランダの屋根の復旧

雨樋のゴミの撤去については、Kさんの奥様から「玄関横の雨樋のあたりから、雨水がたくさん落ちてくる。」とご相談され、この機会に雨樋の詰りを全てチェックし、ゴミを撤去することにしました。

屋根に登ると、想像以上に多数の外れそうな板金が。

屋根に登って、まずは板金が外れた場所の確認。

下から見ている分には、「無いなら無いで、しばらく放置してもいいのでは?」と思っていましたが、実際に状況を確認すると、土台である木材がむき出しになっており、このまま放置すると、雨による腐食や雨漏れの原因にもなりかねません。

屋根の板金が外れた部分-ivyCraft-
屋根の板金が外れた部分-ivyCraft-

7年前に外壁と屋根の修繕をされたという話でしたが、全体を確認すると、明らかに釘が浮いている部分が多数ありました。

再度、強風が来ると、今度は別の板金が飛ばされる可能性があります。

そして、万が一にも飛ばされた板金が、歩行中の人や、走行中の車や、近所の建物に直撃すると、取り返しのつかないことになります。

大工さんならではの高所作業。

大工さんは、Kさん宅のベランダから隣家の屋根に渡した梯子を身軽に登り、軽やかに屋根を伝ってKさん宅の2階の屋根に移動しました。

その作業は、都心の傾斜が強い屋根の上の、足場もない中で行う大変危険な高所作業です。

普段から戸建の建設現場などで高所作業をされている大工さんならではの特殊技能と言えます。

下から見ていると、落ちてしまわないかと心配しつつ、その姿は美しくも感じました。

屋根の板金を取付ける大工の松田さん-ivyCraft-

作業完了!

無事に屋根に登ることができれば、作業そのものはプロの大工さんであれば、それほど時間はかかりません。

浮いた釘を抜き、新たにもっと長い釘で打ち直し、コーキングで補強。

見た目よりも、強度を優先に、屋根全体をチェックして補強を完了。

雨樋のゴミも撤去し、全ての作業完了です。

作業を終えて談笑するKさんと大工の松田さん-ivyCraft-
作業を終えて談笑するKさんと大工さん-ivyCraft-

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