自宅の天井に木製の雲梯(うんてい)を設置したい。【小工事】

2020年5月15日

「自宅の天井に、長さ3Mの木製の雲梯(うんてい)を設置したい。」

世田谷区にお住まいのKさんから、LINEのチャットでご連絡をいただきました。

お住まいの新築にあわせて、洋室の天井に梯子状の雲梯(うんてい)を取り付けたいとのご相談。新築工事の際に、ハウスメーカーに依頼し、すでに天井には幅90㎝ほどの下地を入れてあるとのこと。

また、雲梯はすでにメーカーに注文済みで、長さ300㎝×幅54㎝という、かなり大型のもののようです。

「うんていって何だっけ?」

LINEのご相談で、最初に「雲梯」という文字を見たときに、あまりに久しく目にしていない文字だったので、まずは言葉に発してみましたが、それでも思い出せません。

ネットで調べてみると、すぐにわかりました。子供のころに、学校や公園でよく遊んでいた遊具のことです。

木製の雲梯は、愛知県一宮市の「木のおもちゃ・積み木専門店 わつみ」さんで制作、販売されている商品とのこと。

「メーカーは雲梯だけ作りますが、『設置はどこかの工務店に頼んでください。』というスタイルで、ハウスメーカーは『取り付ける部品を用意してくれれば取付作業は請け負います。』とのことで、部品は何を用意すればいいのかもわからないので・・・」

とお困りのご様子でした。

小学生のお子さんと、時々ご主人も使用するかも。

雲梯(うんてい)の取付にあたって、まず最初に確認しなければならないことに、天井の強度が十分に確保されているかという問題があります。

この雲梯(うんてい)を取り付け後、誰が使うのかを確認したところ、小学生のお子さんと、時々ご主人も使うかもしれないと。下地補強済みとはいうものの、どのように補強されているのかは実際に見てみないとわかりません。

数名のクラフトマンにお声がけをしたところ、やはり皆さん異口同音で、「天井の補強次第で費用はかなり変わります」とのお返事。

Kさんと相談の上、まずは立川の大工さんに無料の現地調査をお願いすることにしました。

アイビークラフトの活用方法。

アイビークラフトの活用方法は様々です。

1.材料等をすべて自分で用意し、施工方法を教えてもらう、手伝ってもらう。
2.材料等をすべて自分で用意し、施工の部分をクラフトマンにお願いする。
3.材料の手配も含めて、すべてお願いする。

依頼に対してクラフトマンに支払う報酬は、クラフトマンの拘束時間や手間が少ない「1」が一番少なく、「2」、「3」と順に多くなっていきます。

「自分がどこまで手間暇をかけて関わるか?」
「自分がどこまでであればできるのか?」
「予算をいくらにするか?」

アイビークラフトは、それぞれの依頼者の方のご意向やご事情に応じて、上手に使い分けて活用することができます。

今回のご相談では、雲梯(うんてい)は用意してあるものの、「雲梯を天井に取り付ける部品をどうするのか」と雲梯を取り付ける「天井の下地の強度」がポイントです。

Kさんとしては、できれば取付部品の手配も含めてお願いしたいとのご意向でした。

現地調査で取付部品の方針を決定。

メーカー(木のおもちゃ・積み木専門店 わつみ)から雲梯(うんてい)ご自宅に届き、実際に設置する部屋に運び終わる日を待ち、現地調査に同行しました。

実際に実物を見てみると、雲梯(うんてい)の長さは3Mもあり、かなり大きいものでしたが、重量はそれほどでもないため、一人でも十分作業ができると判断されました。

一人で作業するか、二人で作業するかによって、当然費用は異なります。極力費用を抑えようとしてくれる誠実な人柄が感じられました。

また、天井の下地は十分な幅があり、かつしっかりと補強されているので、追加の補強工事は必要いとのことです。

そしてKさんを交えて、天井への取付方法や部品について意見交換。

実際に雲梯(うんてい)を使うときには、手や指が天井に当たらないように、天井と雲梯との間に10㎝ほどのスペースを確保する必要があります。

木材で取り付ける方法やロープで取り付ける方法など、さまざまな意見を出し合いました。最終的な結論として、取付部品は強度が強くて安価な金物を採用することとし、デザインは極力シンプルなものを探して設置することになりました。

工事の請負ではなく、時間で依頼できるメリット。

雲梯(うんてい)の取付方針も決定し、現地調査を終了しようとしたところ、Kさんから「ついでに相談があるのですが、リビングに設置した神棚を見てほしい。」とのことで、リビングに。

白い壁クロスの上にポリエステル化粧合板(ポリ合板)の白い板を打ち付けて下地材とし、その上に神棚を取り付けています。

Kさんとしては、同じ白でも壁紙の白とポリ合板の白の微妙な違いや光沢の有無、そして安っぽさが気になっているようです。

壁面の壁紙と全く同じ壁紙が補修用としてまだ置いてあるらしく、「この壁紙をポリ合板の上に張れないか?」とのご相談でした。

しかし、壁紙がポリ合板にしっかりと糊できれいに接着できるかわかりません。そこで、「神棚に近い木目の板をポリ合板の上に打ち付けてはどうでしょうか?」とKさんに提案してみたところ、Kさんからはそれでお願いしたいとのこと。

雲梯(うんてい)を固定する金具と木目の板を探してもらい、Kさんに画像と金額を確認してもらうことになりました。

もともと雲梯(うんてい)の取り付けに1日予定を確保するつもりでしたので、同じ日のうちであればまとめて、ついでにその他のお困りごとを解決してくれます。

アイビークラフトは、指定した工事を材工請負で発注するのではなく、時間単位や1日単位でプロの職人に仕事をお願いする仕組みのサービスです。

このようなケースでは、依頼する業者さんによっては別工事として扱われ、別料金を請求されることもありますが、アイビークラフトであれば料金は変わりません。(材料費は除く)

雲梯(うんてい)の取り付け。

事前にLINEで雲梯(うんてい)用の取付部品と神棚用の木目の板をKさんに画像で確認してもらい、費用もOKとのことで、再度日程調整の上、取付工事に伺いました。

雲梯(うんてい)を天井に取り付ける部品は、写真のような住宅の構造材の固定に使う金物を用意。ちょうどいい部品がなかなか見つからず苦労されたようですが、大工さんならではの発想で、強度がありかつ安価に入手できる代替部品を探してくれました。

準備を終えて、早速雲梯(うんてい)の取り付けです。費用を抑えるために、お一人で作業をされますので、まずは雲梯(うんてい)を突っ張り棒で写真のように両サイドを固定します。

メジャーで測り、設置位置を決めて、両サイドの固定を完了したら、金具を打ち込んで実際に取り付けに入ります。

金具は雲梯(うんてい)の両端2か所に間に2か所を左右に合計8か所取り付けます。作業に入っていしまえば、あっという間に取り付け完了しました。

木製雲梯(うんてい)取付完了-ivyCraft-

神棚設置板の加工。

雲梯(うんてい)の取り付けを完了すると、引き続きリビングに移動し、神棚を設置している背面版の加工に入ります。

まずはポリ合板に取り付けられている神棚を、丁寧に取り外します。

そしてポリ合板を壁に固定していたネジのキャップを外します。

続いて、ポリ合板の上から張り付ける板を用意。

予め用意していたシナベニヤをポリ合板のサイズに合わせてカットします。

シナベニヤの打ち込みは、ピンネイルを使うことによって、釘の頭が目立たないようにします。

ピンネイルとは、化粧材など釘を目立たせたくない仕上げ材に打ち込む釘として使われているもので、頭径が0.6mm以下の釘です。

小口の処理に苦戦。

シナベニヤの取り付けが終わると、側面(小口)に小口テープを張って仕上げます。

ここで、思わぬことに。

小口テープの糊がポリ合板の側面にうまく接着できないため、綺麗に仕上がりません。

かなり時間をかけて何度もトライしてくれたのですが、どうしてもうまく接着できません。

そこで、小口テープの使用は諦めて、側面にも同じシナベニヤを使用することに方針転換。表面用のシナベニヤと小口用のシナベニヤの側面をそれぞれ斜め(45度)にカットして突き合わせるという高度な施工をすることにしました。

一度取り付けたシナベニヤを外して、もう一枚2~3mm大きいサイズにシナベニヤをカット。そして小口用にシナベニヤを細長く4本カットし、それぞれ突き合わさる面を斜め45度にカットして再度取り付けてくれました。

この方法であれば、小口用のシナベニヤも接着剤ではなく、ピンネイルを打ち込んで取り付けることができます。

大工さんならではの高度で手間がかかる技術です。

完成。差し入れもいただきました。

当初の見込みでは、雲梯(うんてい)の取り付けに時間を要し、神棚の設置は短時間でできる予定でしたが、結果は逆になりました。

神棚を設置している背面版の側面は、よく見ないと気が付かない場所ではあるのですが、こうして表面も側面も同じシナベニヤで仕上げていただきました。

Kさんからは、みかんやアイスと飲み物の差し入れもいただきました。

無事に完成し、神棚の一画が、すべて木目の美しい設えになりました。

Kさんからは、「雲梯(うんてい)は、天井から離れていて使いやすそうです。取り付けていただけなければ、床に転がしておくしかなかったので、大変助かりました。神棚も素敵な感じになりました。」とのコメントをいただきました。

アイビークラフトのサービス提供は終了しました。

住み替えとともに、棚やハンガーパイプ、雲梯(うんてい)、ボルダリングの設置などをご希望の方は、不動産デジタル仲介サービス「renolty(リノルティ)」をご利用下さい。

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