空き家の所有世帯の子どもは、どのくらい離れた場所に住んでいるのでしょうか?
国土交通省が発表した「令和6年空き家所有者実態調査」によると、空き家所有世帯の子どもの居住場所は「親と同居」が約38%で最多です。次いで「片道1時間以上の場所に住んでいる」が約19%、「子はいない」が約17%となっています。子どもの遠方居住が管理の負担となっています。
また、相続した物件が空き家になる前に、未然に防ぐ方法には何があるのでしょうか?
調査結果:所有世帯の子の住んでいる場所(N=1,381 千世帯)
国土交通省の調査(N=1,381千世帯)によると、空き家を所有する世帯の子どもが暮らしている場所の割合は以下の通りです。
一緒に住んでいる(同居): 約38%
片道1時間以上の場所に住んでいる: 約19%
子はいない: 約17%
1時間未満の場所に住んでいる: 約14%
片道15分未満の場所に住んでいる: 約8%
徒歩5分程度の場所に住んでいる: 約4%
調査結果のポイント
このデータから、空き家の発生と放置に関して以下の深刻な問題が浮かび上がります。
子どもの遠方化による管理不足
子どもの約4割が「片道1時間以上」の遠方に住んでいるか、すでにいない状態です。そのため、空き家となった実家を日常的に管理・点検することが難しくなっています。
相続時の放置リスク
空き家の取得理由の約6割が親からの「相続」です。親が亡くなった際に、遠方に住んでいる子どもが空き家を引き継ぐことになります。住む予定がなく、管理もできないまま「とりあえずそのままにする」ケースが多く見られます。
早めの対策の必要性
遠方に住む子どもたちが実家を引き継ぐ前に、親と子が話し合うことが重要です。生前のうちから「売却する」「賃貸に出す」「解体して更地にする」などの対策を計画しておくことが、空き家問題を未然に防ぐ鍵となります。
調査結果に対する考察
1. 遠距離に住む子(約19%)による「実家じまい」の難しさ
「片道1時間以上」の場所に子が住んでいる約19%の世帯では、将来的に空き家を引き継いだ際、物理的な距離がハードルとなり「管理不全空き家」化するリスクを内包しています。移動の負担やコストから足が遠のき、売却や片付け(実家じまい)の判断が後回しになりやすい傾向があります。
2. 「一緒に住んでいる(約38%)」ケースにおける盲点
同居している世帯が最多ですが、ここで所有している「空き家」は親が過去に相続した別の家や、住み替える前の旧居である可能性が高いと言えます。すでに現在の住居で生計を共にして生活基盤が固まっているため、別の場所にある空き家に対して「わざわざ移り住む必要性」が低く、結果として放置されやすくなります。
3. 「子はいない(約17%)」世帯の承継者不在問題
約17%を占める「子はいない」世帯では、将来的に所有者が死亡または施設へ入所した際、法定相続人が多方面に分散するか、あるいは相続人不在となる可能性が高まります。これにより、名義変更や売却手続きが複雑化し、誰の手にも負えない「身元不明の空き家」として長期放置されるリスクに直結します。
4. 求められる早期の「家族会議」と行政支援
空き家を取得する経緯の約6割は「相続」です。子がどこに住んでいようとも、親の健在なうちから資産の処分や活用方法を話し合っておくことが重要です。同時に、遠方に住む子のために民間や自治体の巡回管理サービスや、早期処分のための税制優遇、相談窓口の拡充といった行政側のターゲットを絞った支援が不可欠となっています。
親が亡くなった後からでも、空き家になるのを防ぐ対策
親が元気なうちに死亡後の相続の相談ができるケースは多くなく、事後でも実現可能な対策が必要とされています。
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